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【日本年金機構の行方】

 消えた年金記録で世間を騒がせた社会保険庁がなくなり、今月から日本年金機構に組織が移行しました。組織移行だけで中身は何も変わっていないという批判は承知しています。すぐに年金不信がなくなるとは到底思えません。一方で、同機構に関する法律に関しては、私も現職時代にかなりの数の質問や意見を物申したので、感慨深い反面、対応が不十分ではなかったのかという心残りな部分もあります。
 昨年8月の総選挙中、民主党が「日本年金機構見直し」のような構想も掲げていたので、政権交代してから長妻大臣の対応を見守っておりました。その構想自体は総選挙前に、支持母体の一つである社保庁労組(旧国費評議会)に配慮した結果でしょうが、ともあれ、無事に発足したことは評価できます。
 新組織が基礎的なミスを減らし、接客サービスを民間並みに向上させるのは当然としても、問題は旧社保庁時代の職員が8割以上も再雇用される点にあります。再雇用されずに分限免職された職員もいますが、このほとんどが懲戒処分を受けた経緯を持つ人達だから自業自得です。クビになった職員の中には「(私のような職員を辞めさせて)新機構でもノウハウが維持されるか心配」と新聞でコメントしていた人もいましたが、そんな人に心配されたくはありません。
 処分を免れた職員の中には、不正体質に間接的に手を貸したか、黙認した者も多くいるはずで、そんな怠惰で不正を容認する体質が受け継がれる可能性は大です。そして、不祥事が発覚した場合、さらなる国民の失望が待っています。そうならないためにも、職員は「新しい血」の入れ替えが必要なのです。与党の現職だった時代に、そこまで踏み切れなかったのは今でも悔いが残りますが、総理大臣クラスが主導しないとうまくいきません。
 社保庁がこれまでやってきた、有名人の年金データ「のぞき見」や、職員給与や年金記録の改ざん、一日5000文字以内の文字入力制限など論外です。公務員という理由だけで、公務員法により新組織でも雇用しなくてはならないのは残念至極です。民間を退職し、厳しさも知っている人のほうがどれだけ真面目に年金業務に打ち込むか分かりません。
 年金問題の本質は、将来に生活に困らないだけの所得保障ができるかという点にあります。私の支持者の中にも「でも、記録が正確でないと、きちんと年金がもらえないで困るでしょう?」とおっしゃる方がいますが、そんなことはテクニック論の問題で、とっくに解決されてなければならないのです。事態が起こればモグラ叩きのように叩くマスコミ報道に流されすぎているのでしょう。
 また、「国民年金が破綻するのでは?かけた分は年金として戻ってこないから、保険料を払うだけ損をするのでは?」というのもウソです。報道関係者ももっとマクロな視点で勉強してもらい、国民に正しい報道を伝えるべきです。
 年金問題は、年金記録やそれを扱う組織の「ミクロ」的議論にすりかえられています。それよりも、将来の財源や人口構成、世代間格差がどのように発生するか、適正な受給金額とは?など「マクロ」的議論を、堂々と与野党問わず、政治主導で実現してもらいたいものです。


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  • 2010年01月05日(火)15時53分
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