7月11日投票で参院選の日程は決まりそうだが、有権者が政権を選択した責任は、いつまで負うべきなのだろう。この夏の参院選か、あるいは(衆参同日も含め)次期衆院選までなのか。普天間基地移設や口蹄疫への対応のあまりの混迷ぶりには毎日苛立ちが募るばかりだ。多くの人たちが不満を感じているはずだが、その政権を担っている民主党に、多くの有権者が昨夏に一票を投じたのも事実だ。
5月末に決着をつけるとしていた普天間問題も期限まであと4日。自民党が13年かけて取り組んできた案とほぼ同じ案になりそうだが、当然の帰結である。なぜなら、アメリカは昨秋から日本の政権が交代しようが基地移設の条件が変わることなど想定していないし、議論の余地もないと決まっていたからだ。海兵隊の抑止力も勉強していなかった人を総理に押し上げてしまった有権者の責任もあるだろう。5月末の決着を鳩山総理がこれで済ませようとするならば、野党もジャーナリズムも絶対に看過してはならない。自民党の現職議員も国会の追及は迫力がもっとほしい。6月以降の政権居座りなど絶対に許されないはずだ。
こうした中、朝日新聞は今朝も奇妙な社説を掲げていた。「子ども手当、満額支給にこだわる必要なし」というものだが、私はかなり違和感がある。まず、満額2万6千円を支給することは、昨年の衆院選において大きな求心力を持った目玉マニフェストで、民主党と国民との約束だ。そんな大事な約束を簡単に取り下げることを奨励するジャーナリズムがどこにあるのか、と怒りを感じる。財源不足や現物給付にすべきという問題は詭弁であり、最初から分かっていたことだ。でも、そうした出来もしないバラ色の政策をちりばめ、国民に期待を持たせた民主党政権の責任がまず問われなくてはならないはずだ。
昨年衆院選までのマスコミは、そうした普天間や子ども手当など民主党の諸政策を与党・自民党案と比較し、あたかも民主案が現実的なように報道し、結果として国民に錯覚させたことも責任があるのではないか。本来ならある政党が掲げるように「在日米軍撤退」「消費税全廃」「軍事予算を削って福祉予算へ」といった、およそ現実的でない「番外編」政策という扱いをしなければならなかった。
私はマスコミに対し、当時の自民逆風の責任を追及しようとは全く思わない。前回衆院選で落選したことは、全くもって私自身の責任で不徳の致すところだ。しかし、政党の政策論争の報道を通じて、多くの有権者の選択にマスコミが影響力与えたことを自覚し、放送し放し、書き放しにならないような自己批判の精神も記者各人が持つべきだと思うのだ。その意味では、朝日の社説は自覚が足りない。
テレビのコメンテーター達の発言も、ちょっと前もひどかったが、最近はさらに何を言いたいのか良く分からなくなってきた。彼らは政治資金規正法違反の事件をめぐり、小沢幹事長に対するなりふり構わない擁護論を展開していたことがあるが、小沢幹事長は公人であり、与党の最高実力者である。アメリカや中国の首脳部からも、日本国内で唯一話をつけられる政治家だと目されている。選挙の手腕も、海外からの評価も、他の民主党首脳と全く格が違う。その人が仮に職務権限を持たないとしても、間接的にせよ天の声に似た指令を発して、便宜を供与した疑いがあるなら、説明を果たす必要があるという国民の声は当然であろう。秘書が3人も逮捕され、幹事長本人は「知らなかった」として検察は不起訴処分としたのだ。
それを「小沢氏をあたかも犯罪者なように扱うのはおかしい」というような擁護はかなり見苦しい。小沢氏は一国民とは違うのだから。国民感情を逆なでしたり、詭弁を弄して事実と違うことを平気で発言するコメンテーターは、国民一人一人が監視し、場合によってはきちんとした法的手段に出られるような仕組みがなくては、それこそ公共の電波を使って間違ったことも、無責任なことも言いたい放題が許されることになってしまう。問題となる訴訟を抱えた件数の多いコメンテーターは退場してもらう必要がある。(写真は5月22日参議院自民党比例区「つのだ宏子」候補予定者の事務所開きにて)
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