明日から参院選がスタートする。紆余曲折あったが、いよいよ公示日を迎えるに至った。選挙区支部長としての準備は忙しい。公示日から選挙区内のポスターは一斉に貼り出しと貼り替えが必要だ。また、事前準備としては選挙ハガキの宛名を印刷したり、機関紙をポスティングしたり、決起大会はじめ集会でも動員をかけなくてはならない。さらに、期間中は事務所から公認候補の支持を訴える電話かけのボランティアの方々にもご協力を願わなくてはならない。
私を含めて惜敗した自民党県連所属の前職らでチームも作り、神奈川県内各地で街頭演説を開催しながら、候補者を盛り立てることになった。支える立場としても総力戦となってくる。そうした中、選挙区の公認候補予定者、小泉あきお参議院議員からも「よろしくお願いします」と直接連絡があった。候補者は連日飛び回って忙しく、相当疲労もたまっているだろうが、その細やかな気配りにわが身を振り返る。
さて、昨日の党首討論は、菅総理が受身で面白みに欠けたとメディアは報じているが、消費税について与野党巻き込んだ議論がなされたことに意味があると思う。当然、議論は時間が少なくて不十分だが、菅総理がはっきりと消費税増税に踏み込んだ発言をしたことは評価したい。歴代内閣が避けてきたタブーにあえて踏み込んだのだ。
タブーといえば、菅総理はぶら下がり取材も拒否した。官邸記者クラブは抗議したというが、「国民の知る権利のためなら、総理は何でも取材に応じなくてはならない」という報道陣の考え方自体、改める良い機会だ。ぶら下がり取材も、正式な記者会見も、総理の発言として重みは同じだ。総理の失言や発言の整合性を問うだけの取材になるならば、考え直すべきだろう。民放キー局は総理番の政治部記者に新入社員を担当させている。そのことが果たして十分に国民の知る権利に応えられるだろうか。
リーダーはタブーに挑戦し、時には国民に対し口に苦いことを言うこと、そして説得することも必要だ。もっとも、今回の消費税増税の論議は、菅総理の所信表明演説でも触れられていないから、差別化したい自民党としては困るかもしれない。しかし、争点はまだまだある。自民党はじめ野党は堂々と主張し、参院選を戦えばいいだろう。
まず、民主党自体の体質だ。小林千代美氏はようやく議員辞職したが、責任を取らない体質はまだ色濃く残る。逮捕・起訴された石川議員は議員辞職する必要がないのか。ほかにも、荒井聡大臣の事務所費問題はどうなったのか。領収書の問題も、民主党内で調べるとかでうやむやになってしまった。マスコミもこれ以上追及しないことに味をしめたのか、噂が収まるのを逃げ切るつもりか分からないが実に姑息だ。自民党政権下では、この問題で安倍内閣の佐田大臣はじめ何人の大臣が引責辞任している。けじめがないということだ。小沢問題も総理が代われば幕引きかというと、そんなに甘くはないだろう。
さらに、社会主義的体質は鳩山総理から菅総理に引き継がれ、ある意味もっと深刻なものになった。鳩山氏は空想主義で出来ないことでも約束してしまう無責任さがあったが、菅氏はリアリストな面と国民の受けを計算しながら言動を使い分ける。菅氏は一見、穏健社会民主主義のような仮面をかぶっているが、日教組や自治労はじめ支援団体とのつながりは全く変わらず、そして社会主義的体質は陰に隠れるようになった。彼らにとって隠れ蓑として民主党は絶好の場所だろう。
そして、菅総理自身の市民活動家としての政治経歴や、拉致実行犯の釈放に安易に署名した政治姿勢、また、無自覚なイデオロギーは(分かっていたことだが)この国を誤った方向に導く可能性がある。イデオロギーで言うと、菅総理は在職中、靖国神社に参拝しないという。理由は「A級戦犯を合祀しているから」だという。事実は、東京裁判で戦犯とされた人たちが、戦後3回にわたる国会の決議で恩赦となっているから、戦争指導者は存在してもいわゆる戦犯は存在しない。当時の社会党も含め国権の最高機関が決議したことだ。靖国神社のA級戦犯合祀を巡る問題は昭和50年代に急浮上してきたものだということも認識する必要がある。国内の主権に関する問題と、国際問題を履き違えている。菅総理自身の勉強不足(あるいは無自覚か確信犯か?)も甚だしいが、実際、マスコミに籍を置く記者やディレクターの大多数がこうした意見を何も疑問を持たずに聞き流していると思われることも問題だ。まあ、菅総理に歴史観を説くことが無意味かも知れない。
とりあえず、菅民主党は内閣・政党支持率がV字回復したことに乗じ、参院選を勝ち抜きたい。消費税増税で自民党との争点を隠し、子ども手当断念も早めに宣言した上で政権担当能力をアピールしながら、ほかは全て無難な主張を繰り返すことで選挙をやりたいわけだ。
政変の歴史は過渡期。参院選をはさんで、政局は本当に何があるか分からない。私たちはまず目の前の参院選の支援に全力を挙げることだ。
↓一人でも多くの方にご覧頂けるよう応援お願いします!