民主党が過半数割れしたことで、日本の国家を解体するような法案を自由に通すことができなくなったことは意義深い。日教組を牛耳る山梨県選挙区の民主党参院会長、輿石東氏。夫婦別姓を推進して家族制度の破壊を推進する法務大臣、神奈川選挙区の千葉景子氏。いずれも左派の代表格で、国家解体につながる社会主義思想の色濃い体現者である。結果、千葉氏は落選。輿石氏は自民党候補に約4000票差まで追撃されるが、辛くも逃げ切った。社民党も共産党も現有議席を減らした。
だからといって、左派が凋落傾向にあるわけでは決してない。有力組合から応援された民主党候補は1人を除いて全員が当選した。労働組合は旧総評系(日教組、自治労、国労、全逓など)と旧同盟系(私鉄労連、自動車労連など)も力を見せつけた。特に旧総評系は左派を全面に出すと、最近は国民の支持が得られにくい傾向にあるのを分かっているのか、与党である民主党の金看板の下、組織力を着実に維持している。
一方、保守派にとっても考えさせられる選挙結果だったろう。自民党は1人区の選挙区で議席を増やしたが、比例区は全体で12議席と前回よりさらに落ち込んだ。再選した山谷氏には今まで以上に活躍を期待したい。特筆すべきは宇都氏(比例区、航空自衛隊出身)、熊谷氏(公募、宮城県選挙区)の若い2人の新人議員が誕生したことである。2人とも松下政経塾出身で、山梨で惜敗した宮川氏とともに保守派として連携していたらしい。2人とは「伝統と創造の会」の総会が行われた靖国会館で今年春に初めて会ったが、思想的に筋の通った清潔感あふれる礼儀正しい好青年だ。その時、鰻を食べながら保守派の色々なテーマについて懇談した。彼らには、西田氏を筆頭に参議院の保守派の論客として頑張ってもらいたい。ネットでファンも多い新人の三橋氏や、現職の秋元氏は涙を飲んだ。
また、「たちあがれ日本」や「創新党」は残念だった。選挙区では議席争いに絡む戦いをするには力不足だった。たちあがれがようやく比例区で100万票を超えたところで、元職の片山虎之助氏ただ一人が当選した。両党の綱領や思想はほとんど同じだが、肝心の候補者が保守派でない人も多く擁立してしまったことや、時間がなかったことが、有権者の支持が広がらなかった一因であろう。私はこの結果について、事前の世論調査である程度分かっていたこととはいえ、残念な気持ちだ。
というのは、保守派の民間人の方々が最近、かなり活発に活動していたからだ。ネットを使いこなして仲間と情報を共有し、有志でビラを配ったり、デモ行進を行うほど熱心だ。昨年末の当時の小沢民主党幹事長がその剛腕ぶりを発揮して外国人参政権の法案を通そうとしていた時、多くの民間人有志が立ち上がった。自民党の従来の支持者から、すそ野が広がったと期待していたが、少なくとも比例区でみんなの党や公明党規模の500万票~1000万票クラスにするためには、同志の連携を今後はさらに強固にしなくてはならないということだろう。
保守思想を通じ、私も加入している自民党の「創生日本」(会長・安倍元総理)、「たちあがれ日本」と、そして「創新党」の3派は連携を模索し、街頭活動なども一緒にやってきた。3派は連携を維持しつつ、今回の選挙結果を十分に分析し、有志の人々とともに日本を解体させるような法案を食い止めなければならない。課題は山積している。
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