「それほど大きく取り上げるべきニュースだろうか」。辻本清美前国交副大臣の社民党離脱に関する報道のされ方に対する所感である。
最近、全般的に大きなニュースがないことが原因だろう。辻本氏が離党することは勝手であるが、けじめをつけずに次々と進んでいく姿勢に違和感がある。自分の次の選挙に有利だか不利だか、あるいは福島党首との見解の相違なのか、離党の理由も不可解だ。
辻本氏は秘書給与流用容疑で逮捕され、平成14年に有罪判決を受けた。昨年、民主党政権で副大臣として政府の役職に就いたが、現職代議士時代の権力犯罪(収賄、買収など)で有罪判決を受けた議員が政府高官に就任するケースとしては、佐藤孝行氏と全く同じである。佐藤孝行氏は平成9年に総務庁長官に就任するが、ロッキード事件で有罪判決を受けたにもかかわらず入閣したことで批判を受け、わずか12日間で辞任した。自民党政権下でも、有罪判決を受けた議員は入閣させず、代わりに党の役職には就けるという暗黙の一定のルールがあったが、その不文律に触れたから当時は佐藤氏の入閣に批判的な報道が多かった。
しかし、昨年に政権交代したばかりの御祝儀的な雰囲気も手伝っただろうが、辻本氏の副大臣就任をこうした視点から取り上げるジャーナリズムはほとんどなかったように思う。「当選すればみそぎは終わった」というのでは従前の古い政治家の体質と変わらず、辻本氏に金権体質や政治倫理を批判する資格はない。
もっとも、社民党そのものにも政治倫理を批判する資格はない。2年前、あるパーティーで土井たか子元衆議院議長と会った。その元秘書で辻本氏へ秘書給与流用を指南したとされ、詐欺で逮捕・有罪判決を受けた後藤氏とも会った。後藤氏は当時の社会党の秘書団の中で、絶大な発言力があったという。私が後藤氏に「テレビでもよくお見かけしました」と挨拶すると、恥ずかしそうにしていたが、こうした「恥じらい」の気持ちこそ必要なのではないか。批判する立場の人が、心にやましい気持ちがあって声を挙げていることが周囲に悟られれば、途端に説得力がなくなる。これが社民党凋落の大きな原因だ。
「辻本氏は平成17年の政界復帰から明らかに態度が違った」とある先輩代議士。私も議員会館のエレベーターで会えば必ず辻本氏から挨拶され、礼儀正しさに意外な感じを覚えた。現職時代、国会(憲法調査会特別委員会)で辻本氏と討論したこともあった。「国民投票法案」の制定に向け、党派を超えて論戦していたのだが、辻本氏は護憲の立場から淡々と発言していた。「ソーリ、ソーリ」と詰め寄ったような従来の激しくて派手なパフォーマンスは全く封印されたのが印象的だった。
しかし、イデオロギー対立が本当になくなったかというと、さらに深刻になったと言える。日本社会党の支持母体は、民主党に移行した。その結果、日教組や自治労などは、元来の反日体質や社会主義体質をさらに隠しやすくなったし、政権交代した今となっては政策実現の権力さえ持つようになった。「在日外国人参政権」や「夫婦別姓」、「国立追悼施設」のように反日イデオローグに裏打ちされた政策は、推進しやすくなった。辻本氏が民主党に入れば、社民党融解とともに、深刻な社会主義勢力が潜りこんで政権に影響力を持つこととなる。野党は参院で与党を過半数割れに追い込んだものの、実際は比例票において民主党の得票は第一党であり、国民はまだ民主党に期待を託した形となる。
保守勢力が日本を守らなくてはならない責任は、今まで以上に重いものになった。
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千葉県民 2010年07月29日(木)02時04分 編集・削除
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