10月21日
真の地方分権とは何か

「自分の住んでいる市や町の名前がなくなるのは寂しい。しかし、限られた財源できちんとした行政サービスを行うには、単独ではやっていけない」。市町村合併問題は、病院や学校、道路など生活と直結しないので、関心が薄くなりがちですが、広がった生活圏や少子高齢化社会に対応し、効率的な行政体制を進めるには不可欠です。

 市町村合併特例法は市町村が合併する際の、手続き、財政的な特例措置等について定めており、財政的な優遇措置があります。期限は2005年3月末日。現在約3200ある自治体のうち、約7割に当たる2200市町村が合併協議会や研究会などを立ち上げています。県内でも鎌倉のお隣の藤沢市で「湘南市」の合併構想があります。

 明治維新時には7万8000もの市町村があったそうで、明治の大合併で5分の1に、それから1950年代に行われた昭和の大合併(約1万が約3900へ)で現在の市町村体制が出来上がりました。

 私も函館支局で記者をしていた時代がありました。支局長以下3人のメンバーで、北海道の靴のような形をした渡島半島を全部で起こった事件、事故から行政、選挙、行事などまでカバーしたわけです。北海道は212市町村ありますが、広い海岸線を車で走って感じたことはやはり市町村合併の必要性です。地域に住む住民にとっては地名に愛着もありますし、抵抗もあるでしょう。しかし、独自で自立できる市町村はともかく、地方分権にともなって市町村の役割がますます大きくなることから、基本的な議論が展開できるようなきっかけは積極的に行政が作らなくてはなりません。情報開示しかり、新しいまちづくりのグランドデザインを行政が示さなくてはなりません。

 これまでの大合併は国の大きな力で進められてきましたが、今後の市町村合併の問題は住民全体が情報を共有し、当事者意識を持って住民主導で臨まなくてはならないと考えます。国のシステムも中央集権から地方分権の時代です。国や県の出先機関は地方に移転するべきです。政府、与党は「1000程度」と現在の自治体の数を3分の1程度に減少させる方針を掲げていますが、問題は数ではなく、名実共に活性化した分権国家ができるかどうかが重要になるでしょう。




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