4月4日
為政清明

 明治維新の三傑である大久保利通・内務卿の座右の銘です。欧米列強がアジアに植民地を増やす中、開国したばかりの黎明期の日本を近代国家に導く最も大きな役割を果たしたリーダーでしょう。私財を投げ打ち、必死にこの国の舵取りをした彼は、死後に8000円の借金が残ったと伝えられています。

 「為政清明」を引き合いに出したのは、政治とカネの問題を考えたかったからです。現在問題になっているのは、公設秘書の給与をピンハネして私的に流用したり、公共事業の口利きでリベートを要求する行為などですが、元を正せばすべては「公私」にけじめをつけなかったことが原因です。

 私の尊敬する西郷南洲先生もまた、維新の三傑ですが、公私のけじめの考え方はまさに政治家の鑑に思えます。坂本竜馬が西郷家を訪問した際、西郷夫人が自宅で雨漏りがしているのを見つけました。夫人が「お客様がおいでの時には面目がございませんから、修繕してください」と訴えると、西郷は「今は日本中に雨漏りがしている。我が家の修繕なんてしてられんよ」と淡々と答えたというエピソードがあります。

 「西郷なくして倒幕なく、大久保なくして近代日本の創設はない」と思えますが、二人の高潔な政治姿勢が座右の銘やエピソードからにじみ出ています。

 現代日本の国会議員の報酬は、月137万円ほどの歳費のほか、文書交通費が月100万円、年間約800万円の期末手当、それに政党助成金(政党によって異なる)はなどが支給され、おおよそですが、年額3500〜4500万円ほどになります。公設秘書は国の経費で3人まで雇用することができますが、仕事の範囲からすると、公設秘書3人ではほとんど国民の負託のこたえ得る政治活動をできないのが現状です。そこで私設秘書を雇うわけですが、公設秘書の給与をピンハネし、上がりを流用したのが今回議員辞職した辻本清美・前社民党政審会長の問題です。

 民主党を離党した鹿野道彦・前副代表、さらに自民党を離党した鈴木宗男・元北海道開発庁長官や加藤紘一・元自民党幹事長の問題もあり、与野党問わない泥仕合が繰り広げられています。

 KSD汚職事件はつい一年ほど前の出来事です。失業率が依然と5%を超え、景気低迷にあえぐ中、国民の常識をはるかに超えたカネの問題で、国民の政治不信は頂点に達しています。

 「構造改革」を掲げて圧倒的な支持を誇った小泉内閣も、今が正念場です。政治不信の元を断ち、再び改革のビジョンを国民に示さねばなりません。

 現代もまた、西郷や大久保のように、公私の区別をきちんとつけ、正しい道を歩む政治家が求められています。改革志半ばの小泉総理には、政治とカネの問題を解決できるよう、リーダーシップを発揮してがんばってほしいと思います。




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