5月3日
政治の信頼を取り戻せ「秘書とカネ、その実態は…」

 本日、井上裕・前参院議長が、公共事業の入札に絡み競売入札妨害容疑で公設秘書が逮捕された責任を取って参院議員を辞職する意向を固めました。

 一昨日には鈴木宗男・元北海道開発庁長官の第一秘書が逮捕されたばかりで、いずれも「政治とカネ」の問題が根幹です。今国会では政治とカネの疑惑で、辻本清美・前社民党政審会長、加藤紘一・元自民党幹事長が議員辞職し、井上前参院議長の辞職は3人目です。国会議員は衆議院なら10万人前後、参議院なら数十万人以上の有権者の付託を受け、国政に参与している極めて重い立場のはずです。相次ぐ議員辞職は異例だと言わざるを得ません。

 それでは、なぜこうして「政治とカネ」にまつわるスキャンダルが多発するのでしょうか。新聞記者と代議士秘書を務めた私のつたない経験からすると、選挙と日常の政治活動にカネがかかる、いやカネをかけている実態があるからなのです。

 例えば、政党所属の国会議員は政党助成金を含め、年間約3500万円の報酬を得られると書いたのは前回の通りですが、支出がとにかく多いのです。歳費ですべての支出がまかないきれる議員のほうが少ないでしょう。

 まずは、秘書の人件費です。国から給与が出るのは、政策担当秘書、公設第一秘書、公設第二秘書の3人ですが、国会議員の多岐にわたる政治活動に対応できません。本来なら「立法の制定、改廃を通じて国民の生命と財産を守り、その生活向上に寄与する」ことが国会議員の本来の任務ですが、実際には立法(政策立案)から党の仕事、あるいは選挙区内での会合や世話になった地域の人々の葬儀に出席したり、陳情にも対応しなくてはなりません。陳情には「道路を拡張してほしい」「○○団体に○○予算をつけてほしい」「親戚の就職、娘の縁談を頼みたい」「○○の功労者として○○省に勲章の申請をしたい」などありとあらゆる要望があります。

 たいていの国会議員はそうした仕事をこなすのに、公設秘書3人では足りないので、議員が個人的に公設とは別に秘書を雇います。いわゆる「私設秘書」と呼ばれるもので、自民党国会議員の多くは10人前後かそれ以上の私設秘書を雇っています。解散総選挙が近くなると、その数はさらに増えると言われています。そこで問題となるのが、第一に、公設と私設の各秘書間で給与の格差がありすぎる点、第二に、政策担当秘書が本来の政策を中心にした仕事をまっとうしているのかという点です。(続く)




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