7月26日
秘書給与疑惑の行方

 24日の衆院政治倫理審査会で、田中真紀子・前外相が秘書給与流用疑惑について釈明しました。鈴木宗男問題から田中疑惑への一連の「政治とカネ」のスキャンダル。今国会は会期末には、郵政関連法案や選挙の区割り変更など重要法案も参院を無事通過し、構造改革も一定の道筋をつけることができたと思います。

 しかし、株価も大幅に下落し、戦後最悪の失業率や自殺者の増加が見られ、構造改革を進める一方で、大掛かりな経済対策も打ち出さなくてはなりません。思えば昨年のテロ国会以降、まさに構造改革を進めようとすると、政治とカネのスキャンダルで政権が揺さぶられました。

 田中真紀子さんに関しては、記者時代に「小渕政権の次期総理に誰がよいか」をアンケートした際、小泉元厚相や加藤元幹事長、橋本元総理(役職は当時)を大きく引き離して断トツでトップの人気だった記憶があります。特に女性には老若問わず幅広い支持があり、当時として実現可能性は少ないにしても、その人気ヒロインが外務大臣に就任した際に政権の看板として期待が集まったのも当然の成り行きでした。

 今回の政倫審を終えて、国民の反応は失望した人、同情した人、疑惑は晴れていないとする人などさまざまなのでしょう。問題はこうした個人のスキャンダル追及が本質的に「政治とカネ」の問題可決につなげることができるのかという点です。

 この政倫審でいうと、公設秘書の給与支払いについて、なぜ越後交通の担当者を通じさせるような複雑なシステムをとらなくてはならなかったのか、私設秘書の給与にも分配されたのかが焦点でした。これらは再発防止のために明確にしなくてはなりません。今回の政倫審でさらに疑惑は深まったとして、与野党の包囲網は強まるでしょう。

 田中前外相は、圧倒的な人気をバックにして外務省の内包的な問題に波紋を投げかけたのは事実です。これは今までの派閥順送りで就任した大臣にはできなかった偉業です。

 こうした堂々とした態度や歯切れの良い姿が国民の多くの支持を引き付けたのだと思います。厳しい立場に追い込まれても、田中前外相が政界ではまれなキャラクターであるという点では誰もが異論がないことでしょう。田中前外相には、堂々とした論陣を再び張り、今回の件を分かりやすく釈明し、秘書給与問題の根源について良い方向へ国民世論を形成する材料くらいにしてほしいと願います。




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