3月19日
統一地方選とイラク問題〜政治家は説明責任を〜

 イラク情勢が緊迫化し、いよいよ開戦間近になってきました。政治に携わるすべての人々に関わる重要な問題で、地域と世界がつながる接点だともいえます。

 一方で統一地方選も告示までカウントダウン。私も朝の街頭演説を正月明け以来、どんな雨でも風でも平日は一日も休まずに続けてきましたが、統一地方選の事情から、街頭演説はこの間は自粛させていただきます。とにかくこの日本を、この地域を良くしたいという思いはみな同じですから、ともに頑張っていきたいと思います。政治は経済対策でも、政治とカネの問題でも収拾がつけられずに閉塞感に覆われています。地方選挙でもこれから、今まで以上に情報公開や地方分権が大きな議論を起こすでしょう。私も「なんとしても閉塞感を打破したい」という力強い意思を持って、活動に取り組みたいと思います。

 さて、イラク問題は戦後の日本が掲げてきた「国連中心外交」と「日米安保を機軸とした外交」。今まで両方が一致してきたから進むことができた外交方針が、今回は一致しないというのが大きな相違点です。

 最近の世論調査によると、「小泉総理はイラク問題に対して説明責任を十分果たしていない」とする意見が多数です。フセイン政権がいかなるものか、日米安保をいかに堅持するのか、テロ支援国家と今後のテロ活動はどうなるのかなど、内閣全体が国民に向かって説明責任を果たさなければいけません。

 戦後の日本の外交・防衛方針はやはり日米安保を機軸に進んできました。査察継続の立場から、日本がフランス・ドイツなどに同調し、米国の方針と正反対の意見を国策として打ち出したとしても、最終的にどのように事態を収斂させていくのか構想があるのでしょうか。北朝鮮問題と日米安保は原則的に切り離して考えなければいけないものの、アジアの平和安定のために、日本にとって米国は切り離せないパートナーであることは疑いありません。また、約70%の国民が米国の武力行使に反対しているという世論調査の結果は十分認識しています。それでも総合的に判断するなら、米国を支持する今回の方針には私は賛同します。

 しかし、2点の問題があります。第一に、イラクのフセイン政権にどのような問題があるのか、テロ支援が今後の世界情勢の安定にどのように影響を及ぼすのか説明責任が果たされていません。この大量破壊兵器は、炭そ菌、VXガス、マスタードガスと呼ばれるものです。VXガスなどはほんの数的で致死量に達し、それを約4トン保有しているという報告があります。イラクがこうした大量破壊兵器を保有し、「アルカイダ」などテロ組織を支援しているとすれば、2001年9・11の悲劇をさらに大きくして繰り返さないとも限りません。

 確かにアメリカが世界警察的な役割を果たす「パックス・アメリカーナ」が正統だとは思いませんし、日本が日米安保に頼るあまりに外交的思考がストップし、自力防衛の概念がなくなってきていることも問題です。イラクの立場からすると、こうした最後通告は「内政干渉」という主張でしょう。中国大陸やインドシナ半島から撤退を求めた「ハル・ノート」に直面し、国際社会から孤立した1941年開戦直前の日本と姿がだぶります。しかし、アメリカの軍事力で世界のパワーバランスから秩序が保たれていることも外交の冷徹な事実です。こうしたフセイン政権の情報を説明し、日本がいかに対応すべきか堂々と論理的に議論すべきです。

 第2に、イラクを攻撃した場合の復興支援金の問題です。ある試算によると、戦後のイラク復興に総額3兆円の分担金を求められるということです。一方で、内政に目を向けるなら、高齢化社会の到来で国庫負担金を増やすなら、さらに2兆7千億円かかるという試算もあります。6兆円近くの新たな負担。税収は年々落ち込み、すでに50兆円を切っています。経済対策には財政出動や減税も想定しなくてはなりません。「どこにそのような財源があるのか」という疑問が浮上してきます。

 国内外で課題は山積していますが、政治を志す立場の私たちのような人間には常に説明責任があると思っています。  




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