6月7日
国会と村上ファンド、意外な結末
 国会もいよいよ最終盤となってきました。重要法案とされてきた「教育基本法案」「国民投票法案」は今国会で成立する見通しは立たなくなり、継続審議となることが決まりました。いずれの法案も戦後60年の総括として、今国会を山場としていましたが、物事には「機運」というものがあります。絶対与党の議席数を占め、国民的議論も成熟し、まさに「機は熟した」状況。鳴り物入りで審議した割には、戦後を総括する重要法案は通らず。果たして見送りが正しい判断だったのか?  「組織犯罪防止法案」(=共謀罪)は、民主党案を丸のみすることを決定しましたが、与党の国対幹部が「成立させてから、今後変えることもできる」と発言したことから、野党の反発を招き、審議拒否され、日程的にもこれも成立は難しくなりました。組織的犯罪の防止に向けた条約にも批准(批准時は民主党も賛成)していた日本は、サミットまでに法整備が間に合わないことで、国際的な信用が大きく低下することになります。「社会保険庁改革法案」も、審議前の相次ぐ不祥事により、廃案か継続審議を余儀なくされました。
 衆議院ではいずれも法案も成立の見通しが立たなくなりましたが、国益に資する法案だと確信し、私たちも審議を重ねてきました。今後5年間以内で5%の公務員純減を目指すなど「行政改革推進法案」は成立。「医療制度改革法案」は衆議院で可決し、参議院で審議拒否している状態が再スタートすれば成立します。重要法案はたった2本です。だからこそ、残念至極で、一年生議員としては、不完全燃焼の国会という感じがします。
 小泉総理はGW明けには会期延長も視野においていた言動がありましたが、いつからか「会期延長はしない」と明言するようになりました。官邸と与党の息が合っていたとは思えず、国会対策委員会の判断ミスは重いと言わざるを得ません。衆議院も緊張がとけたように、ムードが変わってきました。しかし、それでいいのか。意外な結末です。
 村上ファンドの村上代表もインサイダー取引の疑いで逮捕されました。私は村上代表が株取引で非常にうまくやり抜けているイメージがあったので、逮捕はとても意外に感じました。しかし、数日前から逮捕情報が流れ、折込ずみであり、自民党としてもすでにライブドア事件を経験していますから、政局に与える影響はほとんどないでしょう。
 そして、この日、タクシーに乗り、ふと思いました。逮捕報道がラジオで流れる車中で、運転手さんが信号待ち中に日誌にメモをしていました。○時○分、新橋駅〜赤坂プリンス820円、○時○分、○○交差点〜浜松町駅740円…。歩合制のため、基本給にその売り上げの5割弱が給料となるそうです。先日はマッサージ師の方と話しましたが、一日数人の方を指圧しているそうですが、客がとれない日もあり、2万円の弱視用メガネを買いかえるのも大変だということでした。
 こうして、ほとんどの人が数千円、数万円、数十万円のお金で苦労し、汗水垂らして働いているのに、村上代表は違法なインサイダー取引で一瞬にして30億円を稼ぎ、家賃300万円の超高層マンションで都会を見下ろしながら、高級ワインを片手に書類をめくっているといいます。確かに本当に経験や情報に恵まれた、類まれな才能の持ち主と言えるでしょうが、経営者もまたモラルや哲学が必要とされるということでしょう。今回の事件は、ホリエモンより国民的同情が少ないのではないかと思うと、「心」や「命」、そして「家族」を大切にするような教育がもっと必要だと実感しました。
     




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